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京都大学経済学部同窓会

Kyoto University Faculty of Economics Alumni Association

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※水・土日祝は休み

東京支部
Tokyo

若手向けイベント「Empowering next business leaders」(9月4日開催)

「今回のイベントは45歳以下のみを対象とします」

東京支部では、去る2024年9月4日に若手向けイベント「Empowering next business leaders」を実施いたしました。今回のように、参加者に年齢制限を設けたことは、京都大学経済学部同窓会にとって初めての試みとなりました。
これまでの同窓会では、若手参加者の割合が低いことが課題となっていました。
同窓会での縦と横のつながりから生まれる学びやシナジーは、かけがえのないもの。せっかくの貴重な機会、もっと多くの若手の方に参加してほしいという思いが運営陣にありました。
そこで、同窓会の価値を一番よく知る同窓会運営陣の若手メンバーを中心に「若手の自分たちが、こんな同窓会なら参加したい!」と思えるイベントを企画しました。
今回は、30代後半~70代までの現役ビジネスリーダー8人にご登壇いただき、「次のビジネスリーダー(next business leaders)」を担う若手の方々と座談会形式の交流会としました。各界で活躍する先輩方と近い距離感でお話できる貴重な機会になるのではないか、と考え、運営一同準備を進めてまいりました。

参加者50名の枠が、締め切り前に満席に!

7月22日に情報を解禁、参加定員は50名としてスタートしました。
当初は「本当に50名も集まってくれるだろうか……」と、一抹の不安もありました。しかし、続々と申し込みが集まり、締め切り一週間前には満席に!追加の申し込みに対してお断りするシーンもありました。これは、皆様のSNSでの発信や声掛けの成果と考えております。ご協力いただいた皆様に感謝申し上げます。

ネクストリーダーズへ、「よろしゅうに、おたのもうします」

そして迎えた当日。会場は徐々に埋まっていき、定刻になりました。
会の始まりは、今回会場ををご厚意で提供してくださった、iU(情報経営イノベーション専門職大学)の学長である中村伊知哉氏のスピーチから。中村伊知哉氏は、京都大学経済学部の卒業生であり、京都大学経済学部同窓会東京支部の理事でもいらっしゃいます。
司会の辻中常任理事からの紹介ののち、着物姿の中村伊知哉氏が登場。
「よろしゅうにおたのもうします」と、京言葉で参加者にメッセージを下さいました。その中で、最も強いインパクトを与えたのが、こちら。
「iUでは就職率ゼロを掲げています!」
日々社会人学生が勉学に励むiUでは、卒業生の100%が起業することを目標にしているとのこと。中村伊知哉氏の言葉で、若い世代には”next business leaders”として、イノベーションを起こす力を求められているのだ、ということを再認識させていただきました。
次に、京都大学経済学部同窓会東京支部柄澤支部長からの挨拶が続きます。
これからの経済界を引っ張っていく存在になってほしい、という若手参加者に向けた力強いコメントを頂きました。
「自民党総裁が変わろうが、立憲民主党の総裁が変わろうが、日本は変わらない。日本を変えるのはあなた方のような熱意に溢れる若い人たちです」
今まさに社会を牽引している先輩の言葉に、身が引き締まります。

止まらない質問、減らないサンドイッチ

そして、会はメインコンテンツである座談会へ。
参加者の方は、スタートアップ企業の経営に奮闘する方、公認会計士としてビジネスの最前線で活躍する方、大手企業や官庁で社会を支える一助となっている方など、バックグラウンドは様々。各々が自分のキャリアを歩む中でも、現役ビジネスリーダーである先輩方との交流の時間は、他では得られない学びになりました。
初めは緊張している様子だった参加者の方々も、今まさに活躍する先輩方を前にするとどんどんと質問が! 1秒も余すことなく質問タイムは進行していきました。
テーブルの上には、運営メンバーがお菓子やサンドイッチを用意していたのですが、参加者は会話に夢中であまりにも減らず……。休憩時間には「フードロス防止のためにも、ぜひ食べてください......!」とアナウンスが入ったほどでした(笑)
記念撮影の案内をする間にも、会話はとどまることなく、名残惜しいままに座談会は閉幕しました。

懇親会でつながるタテとヨコの輪

増田常任理事による乾杯の挨拶で、懇親会がスタートしました。
懇親会では、軽い食事とドリンクが並び、座談会よりも近い距離で交流が図れる場として設計されました。
登壇者である先輩方とより近い距離でお話できる機会であることはもちろん、参加者同士の交流の場にもなり、盛り上がりは最高潮に。
今回のイベントなしでは存在しなかったつながりが各所で生まれ、運営一同喜びがこみ上げる時間となりました。

「群れない京大生」が群れてみたら、面白かった

荒木常任理事による閉会の挨拶では「面白かった!」とのお言葉が!
これまで同窓会のイベントでも、先輩方がご登壇者としてお話いただく機会はありましたが、
机を囲んでの座談会という形式は初めてのこと。相互のコミュニケーションで生まれた今回のイベントを通して、参加者からも「普段は関わらないが、興味深いキャリアを歩んでいる参加者の話が面白かった」「先輩を囲んで学びに来ている雰囲気がよかった」などの声もありました。
今回の企画の発起人である辻中常任理事は、これまで同窓会運営をする中で、とくに若手参加者が少ないことを残念に感じていたと言います。自身も企業を経営され、同窓会によって得られた学びがビジネスにもつながったという辻中氏。
「群れない京大生も、今日はあえて群れてみましょう」
辻中氏のその言葉で集まった今回のイベントが、参加者の方にとっても、また登壇者の先輩方にとっても、実りある会になっていれば幸いです。
最後に、今回のイベント開催にご協力くださった皆様に深く感謝いたします!
今回のイベントの嬉しい副産物として、若手参加者の中から、新たに同窓会運営メンバーに立候補して�くださる方が次々と名乗り出てくださいました!
今後の同窓会がさらに楽しみになります。
そんな次回の同窓会イベントは、年も明けた2025年1月18日(土)の新春交流会。
早くも粛々と準備が始まっています......お楽しみに!

柄澤 康喜氏(1975年卒、三井住友海上火災保険株式会社 常任顧問)のテーブルでは、柄澤氏が、3回も会社を辞めたいと思ったこと、失敗談などの経験、これから必要になるスキルベースの働き方などをお話してくださいました。
なかでも盛り上がったのが、モチベーションの源泉やどんなスキルが必要になるか、といった参加者自身の成長につながる話や、これからの損害保険はどうなるか、AIの活用はといった今後の社会の話、そして経営者経験ならではの取締役会の上手い回し方などなど。休憩時間の間も話は尽きることはありませんでした。
参加者からも、普段話すことの出来ない経営者と話が出来たことはとても刺激的だったとの声が上がっていました。

参加された登壇者の中で唯一エンタメ系のキャリアを持つ荒木 隆司氏(1981年卒、株式会社インテラセット代表取締役)のテーブルでは、荒木氏が非常にフレンドリーかつどのような質問に対しても熱を帯びた対応をされていて、笑顔の絶えない時間となりました。
とくに、これまで多くの会社で経験を積まれてきた荒木氏だから話せる、チームで部下とどのように接すればいいのか、相手から本音を引き出すには?という話はとくに学びの多いものとなりました。荒木氏は、もしも自分だったらどのような人に本音を出すのかを考えた方がいい、とアドバイス。人の意見をしっかり聞くことを心がけている、と話されていました。
印象的だったのは、3ラウンドを通じてファシリテーター含めて参加者に同じ話をしなかったこと。同じ話をするのはつまらないからとのことで、1時間丸ごとエンターテインメントな対話になりました。

公認会計士であり、社外取締役として多くの企業で経験を積んできた中森 真紀子氏(1987年卒、中森公認会計士事務所 代表 / 伊藤忠商事株式会社 社外取締役)のテーブルには、ベンチャー企業を経営している方、公認会計士の方など、中森氏のご経歴に直接関係しているキャリアを歩まれている方が多く参加されていました。
ご自身のキャリアについて真剣に考え、学びに来ている参加者に、優しく、時に厳しく答えている中森氏の姿が印象的でした。
社外取締役に求められている役割や独立に至った背景など、中森氏だからこそ語れる内容には、参加者の方はとくに耳を傾けられていました。

岡﨑 健氏(1988年卒、株式会社ファーストリテイリング 取締役 グループ上席執行役員兼CFO)のテーブルでは、岡﨑氏を前に参加者の方々は緊張の表情でスタート。しかし、岡﨑氏は笑顔いっぱいで対応してくださり、すぐに和やかなムードに! 交流タイムが終わっても、追加で質問をしている方もいらっしゃいました。
普段の業務や柳井氏との普段のやり取りなど、他では聞けない岡﨑氏ならではのお話に参加者一同興味津々でした!

増田 真男氏(1991年卒、株式会社日本政策投資銀行 常務執行役員)は、冒頭から「フードロス撲滅のために食べながら議論しよう!」等、率先して若手が話しやすい雰囲気を作ってくださっていました。
参加者は起業家や独立士業の方から企業勤務の方まで多様なバックグラウンドで、それぞれ日本経済に期待するもの、大企業の変革の仕方、ベンチャー企業に期待するもの、伸びる会社の見極め方、ポストDBJ含めたキャリア形成やワークライフバランスに対する考え方等、多岐にわたる質問が出ました。
とくに盛り上がったのは、増田氏がJALに出向し�た際に何がダメで何を改善したか?、また、稲盛氏がどのように会社を変えていったか?と言った、増田氏ならではのお話。
「国内の大企業は会社の業績が大きく傾くまではなかなか自社を変えることができないので、ベンチャー企業の台頭に期待する」というコメントには、参加者一同大きく頷いていました。

篠原 靖直氏(2001年卒、三菱地所株式会社DX推進部ユニットリーダー)のテーブルでは、参加者は大手からスタートアップ、コンサルティング会社に勤務されている方まで幅広かったですが、全体としてDXというテーマに強い関心を持った方が多くいらしていて、自分自身の経験に照らしながら篠原氏に相談されていました。
お話の中では、大手企業におけるDX推進の実情から、リアルな難しさ、やりがいなどを率直にご教示頂き、事前にどのような効果が生まれるか予測しづらいDX施策について、どのように組織を巻き込んでいくか、などリアリティのある話が盛り上がった。

瀬尾 萌氏(2008年卒、JPインベストメント株式会社 地域・インパクト投資部 ディレクター)は、事前資料まで準備してくださいました。参加者は金融系・地域活性化系の方が集まり、瀬尾氏がこれまでのキャリアで感じた仕事のリアルな手応えは参加者にも響いていました。
ざっくばらんで切れのあるトークで、キャリア・ベンチャー・地域活性化を軸にいくつもの名言が生まれました。気さくな瀬尾氏の雰囲気で参加者の方も質問しやすかったのか、毎回時間切れになる白熱さでした。
ベンチャー投資を見極める上での視点(事業の本質と景気のジレンマや、シード~アーリー期企業の投資可能性の判断など)が特に盛り上がったように思います。
いずれのキャリアも傍から見ると凄く魅力的ですが、「仕事の手応え・自分の感覚」を軸に据えて自らキャリアを築いていらっしゃる姿が印象的でした。

矢野 健太氏(2012年卒、株式会社パンフォーユー代表取締役)はトークが上手だったのが印象的だったとの声が多数ありました。矢野氏自身がスタートアップを経営する中で、大きな方向性がありつつも、決断は豪快なのに、判断ロジックは緻密で、アジャイル的にキャリアの意思決定をされてきたことがよく伝わってくるお話でした。
参加者は、大企業では働いていてスタートアップや起業に関心のある方や、スタートアップ等で働いていてパンフォーユーの事業や経営に興味がある方が集まり、矢野氏が京大アメフト部であるバックグラウンドから、ギャングスターズの部員と経営者のメンタリティの違いなどの話で盛り上がりました!
また、地方出身のバックグラウンドから地方創生をテーマにサーチファンドを目指していたが起業家になったいきさつや、パンの市場にこの先数十年かけて腰を据えてやっていきたい旨、同郷のオープンハウスのように地元に伝説を残したい旨など、野望の話もしていただき、とても刺激になりました。

坂巻貴砂(2020年卒)