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京都大学経済学部同窓会

Kyoto University Faculty of Economics Alumni Association

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東京支部
Tokyo

2023年 新春経済交流会の報告

2023年新春経済交流会は、Zoomを用いたオンライン形式で、2023年1月29日 (月)午後1時から、荒木隆司常務理事の司会により開催された。最初に1月に新たに東京支部支部長に就任した柄澤康喜 (昭和50年卒)氏から、同窓会の発展の努めて行きたい旨のご挨拶と本日の一部、二部の簡単な紹介があった。
第1部は、依田高典同窓会理事長 (京都大学大学院経済学研究科 研究科長)から、「京大経済学研究科・経済学部の取組2021年~2022年」と題して「第二外国語を必修から外し、データ科学を学ぶようにすること、エリート教育に力を入れること」など、最近の京都大学経済学部における取り組みについて説明があった。
第2部は、「未来を拓くダイバーシティ ~女性活躍のあゆみを振り返り、未来を志向する~」と題するパネルディスカッションが行われた。

このパネルディスカッションは、「1986年の男女雇用機会均等法以降、産業界はじめ広く女性活躍が進んだかにみえる日本ですが、世界経済フォーラムの発表するジェンダーギャップ指数 (2022)は146か国中116位。グローバルな相対順位ではむしろ長期低下トレンドにもみえます。2023年新春、均等法世代と言われる経済学部OG、経済学部の新進女性教員、男性代表・我が同窓会理事が、自身の経験や日本の歩みを振り返りながら、わちゃわちゃと放談いたします。悲観論の多い日本経済反転への方策や組織活性化のヒントを皆で考えませんか。」というメッセージの下、熱のこもった討論が行われた。
まずは、京都大学も含め、パネリストが所属する様々な組織などにつき、進んできてはいるもののまだまだというレベルであるというのファクトが共有され、またこのことは日本のジェンダーギャップ指数の順位を見ても明らかだと指摘された。

これまでの歩みに移り、戦後の経済成長を支えた日本企業の慣習は性別役割分業に基づいていたが、現在では実態を反映していないこと、均等法等の整備により出産・育児で労働市場から退出する女性比率の減少という所謂М字カーブ問題は解消しつつあるように見えるが、一方女性の非正規雇用率の上昇という問題が発生していたことが指摘された。
日本の女性活躍推進が進まない理由として、「アンコンシャス・バイアス」や「オールド・ボーイズ・ネットワーク」と言った根深い問題も指摘され、今まで以上にこの問題に向き合い対応することが、公平な社会、経済の成長やイノベーション、組織の健全性などの観点でも喫緊の課題であることが議論された。
最後に「勝ち抜くために経営者はいますぐアクションを」「最低でも女性比率30%!!」「ジェンダーに真に公平中立な制度を」「育児はキャリア、男性も育児参加を」「モノカルチャーの限界を超えるアクションを」などのメッセージと共に、日本の将来に向けた行動を一緒に取って行きましょうという呼びかけをもってパネルは終了した。
午後3時の終了時間まで残り時間が数分にも関わらず、若手も含む3名から質問もでて大いに盛り上がった。参加人数は55名。

第2部の登壇者は以下の5人。
モデレーター:・浅山理恵 (あさやまりえ)SMBCオペレーションサービス (株)取締役副社長
パネリスト:
・中森 真紀子 (なかもりまきこ) 中森公認会計士事務所 代表 / 伊藤忠商事株式会社 社外取締役
・絹川幸恵 (きぬがわさちえ)みずほビジネスパートナー(株)代表取締役社長
・岩島史 (いわしまふみ)京都大学大学院経済学研究科 講師
・荒木隆司 (あらきたかし)株式会社インテラセット代表取締役

(文責 専任理事/奥田久美)