会長挨拶(柄澤康喜)
会長就任にあたりまして(柄澤康喜)
私は、1950年に長野市に生まれ高校時代までを長野で過ごしました。京都には母の実家があり、祖父母が下賀茂で暮らしていました。高校の修学旅行で京都を訪れた際、祖父母と交わした「大学は京都に来る」という約束を果たすことができ70年に京都大学経済学部に入学しました。当時は学生運動の渦中にあり、大学閉鎖もしばしばで、京都らしい居酒屋や喫茶店等での学外勉強が盛んでした。
経済学者で故人の池尾和人さんとの交遊もそのころで、後に当社の持株会社の社外役員にもついていただきました。彼からは、「柄澤さんは、あまり経済学の勉強に熱心ではなかったけれど、経済学は極めていくと面白いんですよ」と茶目っ気たっぷりにコメントされました。
75年に住友海上に入社。最初の勤務地は大阪。ロンドン派遣を経て以来東京の本社で主に企画部門で過ごしました。経営企画部では、経営企画の立案、合併・統合(三井住友海上、MS&AD)、生保会社設立、海外M&A。損保業界の企画では、保険制度の改革・法改正、日米協議等を担当して2010年に三井住友海上の社長、14年には持株会社MS&ADのグループCEOを兼務、夫々会長をへて今年6月に退任し、現在、三井住友海上の常任顧問を務めています。
同窓会との縁は、当時東京支部長の畏敬する宇野理事からのお誘いで顔を出すようになり、一昨年からは東京支部長を務めています。東京支部は荒木常務理事のリーダーシップと若手の活躍で、年代・性別の多様性をいかした活性化が進みつつあります。
京都大学経済学部とは、大学の保険論講義の継続という要請に応じて、2017年に日本生命の筒井会長と寄附講義を開設いたしました。現在は持株会社のMS&ADが継続しています。
地球環境問題等解決すべき社会的課題は多く、そのためには、教育・人財育成は最重要課題です。大学はグローバルベースでの優位性の確保、多様性の拡大、リベラルアーツの充実等に向け改革を進めています。
同窓会としては、その目的である「大学との連携」「会員相互の親睦」を会員の皆様の協力を得ながら進めていく中で、いささかばかりとも貢献できるよう努めてまいりたいと考えております。
ご支援ご協力をよろしくお願い申し上げます。